船体外装

甲板材を貼り、塗装へと進みます。
甲板材を貼る前に船室の穴を確定しなければなりませんので、船室を仮組みします。
船室の穴に入れてみます。
甲板材はこの船室にぴったり合うように貼り詰めます。
甲板を貼ります。
船尾にアール状の合板を貼り、センターに2枚の甲板材を貼ってゆきます。
1ミリ×2ミリの断面で、長さは100ミリを上限としました。
縮尺が1/80ですから現物では8メートルとなります。

接着剤は木工用ボンドを使用しました。
センターの甲板材を貼った後、外周部分に甲板材を貼ります。
外周は船体側面よりわずかにはみ出るように貼り、後からサンドペーパーでツライチに仕上げる予定です。
そのため押しピンで位置を決めています。
外側から中心部へ向けて甲板材を貼ります。
材料は細いので水に浸けなくても半田ごてで簡単に曲げることが出来ます。
材料は100ミリの長さですが、20ミリ間隔にずらして貼るために鉛筆で線をケガいています。
船首の部分は、鋭角に材料を切ってはめ込みます。
1×2ミリの材料は、せん断加工機で1ミリの板から加工したらしく、側面が直角になっておらず、そのまま使うと、板と板の間に隙間が開きすぎるところが出来てしまいます。
このため、材料の側面を#80のサンドペーパーで直角を出しなおしました。
甲板材の側面には、鉛筆(H)で黒く塗り、ピッチを詰めてあるのを表現しました。
甲板材貼りも終盤にかかりました。
問題発生です。
写真で分かるように、隣り合った甲板材の間の隙間が大きいところがあります。これは、先にも述べた通り側面の直角が出ていなかったからで、修正をかけたのですがまだ足りなかったようです。貼ってしまってからでは仕方ないのでこのまま行くことにしましょう。
最後の隙間を埋めて完成です、
いよいよ塗装ですが、使う塗料は「カシュー塗料」を使うことにしました。
理由は、はけ塗りでも最高の艶が出そうだからです。普通、帆船には艶あり塗装はしませんが、このヨットの場合、完全な鏡面仕上げが流線型の船体にマッチすると思ったからです。
この塗料は人口の漆塗りに相当する物だそうですが、初めて使うのでうまく行くか大変不安です。
先ず#240ペーパーで研磨します。
ここで、塗装の前に持つところを付けておかないと、塗りあがった船体を置いておく方法が無いことに気づき、急遽取っ手を作成しました。
船体のフレームが4ミリの厚さがあったため、これにM3のネジで固定しました。
@下地
「カシュー下地2号」を船体の板の隙間や凹みに桧のへらで塗りこみ、余分な塗料はかきとります。
(右下の板はテスト塗りのために作った物で、これで試し塗りをしながら要領をつかもうと思っています。
ここで甲板には塗装しないように、マスキングテープを貼るのを忘れており、あわてて貼りました。
前回の船ではコーナンで売っている一般のマスキングテープを使ったために、テープの中に塗料が染み込みとんでもないことになりました。
それに懲りて、多少高いけれど田宮の物を使いました。これなら密着も良く大丈夫と思います。
「カシュー下地2号」塗りこみの後、#320と#400のペーパーで研磨します。喫水以下は木地を生かした塗装をするため、板の上に下地が残っていてはいけません。
1回目のペーパーがけの後の写真ですが、板の間の隙間がなかなか埋まりません。塗りこみとペーパーがけの繰り返しです。

5回目のペーパーがけの後の写真です。
凸凹を完全に埋めないとクリアーを塗った後に目立ちます。
(これでも不十分であることが、塗装後わかりました)
全体像です。
テスト塗りのために、ベニヤ板の上に、船体側板を同じように貼り、カシュー塗料で仕上げてみました。

上のグリーンは下地の上に「黒サフェーサ」を塗り、「濃緑」を2度塗りしたところです。表面に映っているのは撮っているデジカメです。

下の木目の部分は、下地の上に「ネオクリアー」で仕上げた物で、左は筆で塗装、右はウエスで刷り込んで仕上げた物です


さすがに素晴らしい鏡面が得られました。
ただ、ほこりを拾いやすく、後で目立つのが難点です。出来るだけほこりのたちにくい部屋で塗装しようと思いますが、換気との兼ね合いが問題です。
塗装前に穴加工を先にしておきます。
1.5ミリの穴ですが、甲板の端ぎりぎりに開けるため、船体側面から外へ突き抜けないよう用心します。
喫水線をケガキます。
喫水線に沿って下側をマスキングします。
A中塗り
「カシュー黒サフェーサー」をカシューシンナーで20〜30%に薄めて塗ります。
1回目は薄めすぎたため、充分下地が隠れません。2回目は濃く溶きすぎ、凄い速さで乾くため、刷毛目とタレが出て失敗です。
これを1時間かけて#320ペーパーで仕上げて3回目を塗りました。
うまく行けば2回でOKです。
乾燥は24時間で、そのつどペーパーで仕上げます。
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B仕上げ
「カシューエナメル濃緑」をカシューシンナーで20〜30%薄めて塗ります。
1回目は一部にかすれが出たり、2回目は塗り始めの部分にたれ、一部にかすれが出来たり。という具合でなかなかうまく行きません。しかし艶は素晴らしい物ができます。
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2回目の塗装後48時間乾燥させ、かすれて表面が凸凹になったのを#320で水磨ぎし3回目の塗装に入るところです。
うまく行けば2回で充分艶が得られます。
塗装は、カシュー塗料専用の刷毛を使いましたが、30秒くらいで乾いてくるため、塗り返しはせいぜい1回で、しかも途中で止めたり始めたりしてはいけません。メーカーの説明書には3回塗り返しをするように書いていますが、とても無理でした。私の溶き方がまだ濃すぎるのでしょうか。
まずい所だけ修正塗りをしましたが、以前塗ったところとの境目が目立ち、再度全体塗りをしました。
かすれを防ぐため、シンナーを40%くらいに増やし、3度くらい塗り戻しして垂れないように塗りました。
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塗るたびに不満が残り、結局6回塗ってしまいました。満足の行く仕上がりではありませんが、あまり厚くするとマスキングを剥がすときに塗膜にひびが入らないかと心配になり、この辺で妥協しました。
下側のマスキングをはがします。
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今度は船底にクリア塗装をするため、上側をマスキングします。
クリアは30%シンナーで薄め垂れないように良くしごいて塗ります。濃緑より刷毛目が目立ちにくく塗りやすく感じました。
1箇所垂れてしまい、48時間乾燥後#320ペーパーで水とぎし、その部分のみ修正しました。
再度全体をクリアで塗装したところです。
仕上がりは、木目が美しく浮き出して満足ですが、やはり下処理(目止め)が不十分であったらしく、クリアの表面に小さな穴が多数開いて見えます。
・・・難しい!

でも、これで良しとしましょう。
中塗りを始めてから1ヶ月かかりました。

「反省」・・終わりごろになってやっと塗り方の要領がわかってきた。平面に試し塗りはしたが、実際に塗る物の形状に近い立体物に塗って練習しないと、垂れの度合いがわからない。
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マスキングテープを外して完成です。
喫水線に白のラインを入れます。
説明書には「カー用品屋で幅3ミリのテープを買え」との指示通りに購入し、貼ってみましたが、2次曲面に貼るためはがれてきます。そこでこのテープはあきらめて模型屋でデカールを探しましたがありません。結局白のカシュー塗料を購入し、塗装することに決めました。
塗装によるライン引きは最も避けたかった方法です。
問題は@幅を均一に、Aアールを滑らかにすることです。
船尾部分のアールは、内側は良いのですが、外側のテープを貼るときに、ラインを塗装する側に皺が入ると中に塗料がしみこんでマスキングが台無しになります。そこで1本のテープではなしに数本をダブらせて貼ります。この方法はテスト段階ではうまく行きました。
ラインの幅を3ミリに均等に引くために、3ミリ間隔に印をつけたテープを数箇所貼っておき、これを目安にしてマスキングテープを貼ってゆきます。
甲板に近い部分にも1ミリ幅の線が入ります。
一応マスキングテープは貼れました。
船尾側です。
次に白の塗料を塗りますが、実験では3度塗ってやっと下の濃い緑の色が見えなくなりました。やはり白色は隠ぺい力が低いようです。
実験通り3回塗りました。
マスキングをはがして、出来上がりです。
やはり船尾側のカーブのところが角ばってしまい、うまくいきません。カッターナイフで修正すると欠けるように取れるため、止めました。
一応塗装は完成です。
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